『海猿』『ブラックジャックによろしく』で有名な、佐藤秀峰先生の運営する電子書籍サイト『マンガonウェブ』の1コーナーとして、他の漫画家さんの作品を紹介する「電書バト」というコーナーがあります。
電書バトとは?
電書バトは、作家さまの大切な作品をお預かりし数十カ所の電子書籍ストアで配信・販売のお手伝いするサービスです。
書店との個別販売契約など複雑な手続きはすべて当社が一括して行いますので、作家さまは作品データと簡単な諸情報をご用意頂くだけで、様々なサイトへ作品を販売する事ができます。
売り上げは各サイトで定められたロイヤリティから事務手数料を差し引いた全額を作家さまにお支払い致します。公式HPより引用
この電書バトで2016年2月に1ヶ月間の割引セールを行ったところ、TOPの漫画家の印税(売り上げではなく配分される金額)が1億3千万円を超えているというニュースが流れて、ビックリしました。
セール内容と販売結果
開催期間:
2016年2月2日~2016年3月2日まで
開催場所:
「楽天Kobo電子書籍ストア」のスペシャルプライズセール
販売価格:
対象タイトルが1冊11円
掲載タイトル:
佐藤秀峰先生:『海猿』『新ブラックジャックによろしく』『特攻の島』など
佐藤智美先生:『ムショ医』
塀内夏子先生:『オフサイド』
など、42タイトル(合計131冊)
セール結果
このセールの結果、対象タイトルの売り上げ総額は3億円を超えたそうです。
さらに驚いたことに、漫画家が受け取る印税(ロイヤリティ)額は、TOPの佐藤秀峰先生が1億3,388万円と、1億円の大台を超えてぶっちぎりのトップでした。
1億3,000万円って・・・
続く2位が『ムショ医』の佐藤智美先生で1,896万円、3位と4位が匿名希望の漫画家さんで716万円と595万円、5位の楠本弘樹先生が230万円と続いています。
佐藤智美先生は、『ムショ医』の1~5巻と『ムショ医~再診~』の合計6冊で1,800万円なので、1冊当たり300万円のロイヤリティはすごいですね。
まとめ
サイト運営者の佐藤秀峰さんがダントツの1位なのはずるい気がしますが、自身の運営する「マンガonウェブ」ではなくて「楽天kobo」でのセールで導線を自由にできた訳ではないので、本当にすごい結果だと思います。
電子書籍サイトの印税(ロイヤリティ)は紙媒体の印税よりも高く設定されているので、一概には言えませんが、ロイヤリティ1億3,000万円は、1冊500円の単行本で換算すると、約265万部売れたことになります。(印税率を10%とした場合)
1999年~2014年に週刊少年ジャンプで連載されていて、TVや映画にもなった大人気漫画『NARUTO(ナルト)』の1冊あたりの平均発行部数が190万部ほどなので、この数字は本当にすごいです。
ただ、この数字だけを見ると、メージャー出版社の主催する賞に応募して大賞を受賞する狭き門を目指すよりも、電子書籍としてヒットを狙うほうが早く感じますが、これだけの数字が出せたのは、まずマンガ雑誌などで連載されて人気があったという過去があったからこそです。
過去のヒットで認知度があったので、以前読んだことのある人が久しぶりに読むために購入したり、「タイトルは聞いたことがあるので値段も安いので購入してみよう」と思った人が購入したケースが大半出ないかと思います。
ロイヤリティで大きく稼ぐためには、まずは大手出版社の発行する漫画雑誌で連載して単行本が発売されるくらいの人気を取る必要があります。
逆に言うと、大手出版社の編集者に認められるくらいの作品を描けるくらいのレベルでないと、電子書籍市場で大きく成功するのは難しい、という事ですね。
がんばって認められる作品を描いていきましょう!