今回のテーマは、漫画(マンガ)原作者でデビューするための年齢上限についてです。
漫画(マンガ)原作者になるための適齢期は?
漫画(マンガ)原作者でデビューするための適齢期は特に決まっていませんが、若すぎる(10代後半~20代半ば)と話の内容に厚みが出にくいので、個人的には社会人経験を積んだ後の30代前後が一番適しているのではないかと思います。
また逆に、40歳以上になるとデメリットが多くなってくるので、漫画(マンガ)原作者になるための適齢期は30歳~39歳くらいではないかと考えています。
年齢が高い人がダメな理由
社会人経験が多ければ多いほど、内容の濃い話が作れる可能性が高いですが、40歳を超えるくらいの年齢になると、下記の理由でデビューしにくいと考えています。
1)若い人の感覚についていけない
これが一番の理由になります。
例えば少年誌や青年誌で書く場合、対象のターゲット層は少年誌では10歳~18歳くらい、青年誌では19歳~35歳くらいがターゲットになってきます。
そのターゲット層にマッチする内容の漫画を描くことは、40代や50代になってからではかなり厳しいと言えます。
少年誌の場合、40歳の原作者が小学生の楽しめる内容の話を作るのはかなり至難の業だと思います。
昔、ジャンプで連載していた『キン肉マン』や『魁!男塾』などが、スーパージャンプや週刊プレイボーイに舞台を移して、続編を連載していたのは、当時のターゲット層の年齢に合わせて掲載雑誌を変えていったためです。
そういう意味では、子供たちに大人気の『妖怪ウォッチ』のヒットはすごいと言えます。
『妖怪ウォッチ』は、ゲームソフト開発会社である株式会社レベルファイブの日野晃博社長が考えた企画で、アニメの脚本なども一部手掛けています。
日野社長は1968年7月20日生まれなので、今年の7月で48歳になりますが、その年齢で小学生が共感できる話を作れ売るのは、本当にすごいです。
小学生の参加する座談会を独自開催し、自分の小学生の時に流行っていたものが今でも受けるかどうかの確認や、現在小学生の間で何が流行しているかをヒアリングして話に反映するなど、常に最新情報にアップデートすることを怠らないからこそ、この大ヒットがあるのだと思います。
2)考え方に柔軟性が無くなりやすい
理由の2つ目は、「考え方に柔軟性が無くなりやすい」です。
社会人経験や人生経験を積めば積むほど、過去の経験が固定概念となって、斬新な発想や新しいアイデアが生まれにくくなります。
編集者が漫画原作者に求めているのは、漫画家や編集者に思いつかないような内容の話を作ってもらう事なので、固定概念に凝り固まった頭では、飛び抜けたアイデアは生まれにくくなっています。
3)若手編集者がやりにくい
これも非常に大きな理由です。
少年誌や青年誌の編集者は、どんどん新人が入ってきている事もあって常に編集者の若返りが図られています。
その影響もあって、若手編集者と感覚が合わないため編集方針が合わなかったり、若手編集者から年長の原作者へ話の内容について修正点を指摘することが難しいなどの理由から、デビューしていない年齢の高い漫画原作者は敬遠される傾向があります。
まとめ
以前の記事でも書きましたが、「ほったゆみ」先生が『ヒカルの碁』で原作者デビューしたのは42歳の時なので、「年齢が40歳を超えているから」という理由だけでダメな訳ではありません。
ただ年齢が高い分、求められる話のレベルも高くなるので、相当レベルの実力が無いとデビューが難しい事実には変わりがありません。
年齢だけで諦めるのではなく、年齢が高くなっても原作者として続けることができるように、常に最新情報にアンテナを張り、話の内容をブラッシュアップする努力を怠らない必要があります。