新海誠監督が「君の名は。」を創るときに参考にした4冊の本

かい
かい

さまざまな記録を塗り替えて大ヒットした新開誠監督の長編アニメ映画『君の名は。』ですが、新海監督がこの作品を作る際に参考にした本があるそうなので、その本を紹介します。

その本とは、
・平安時代の古典名作『とりかえばや物語』
・高橋留美子先生の『らんま 1/2』
・押見修造先生の『僕は麻理の中』
・アメリカのSF作家グレッグ・イーガン氏の『金庫番』
4冊(話)です。

とりかえばや物語

『とりかへばや物語』(とりかえばやものがたり)は、平安時代末期の古典作品で作者は不明です。

あらすじ

昔々の平安時代の左大臣に2人の子供がおり、一人は軟弱な男の子で、もう一人は勝気な女の子でした。

「この二人が入れ替わってくれればなぁ」と考えた大臣は、男の子に着物を着せてを「姫君」として育て、女の子には男装をさせて「若君」として育てることにしました。

そこからは波乱の人生で、若君は同性である右大臣の娘と結婚するものの妻の不貞で離婚をしたり、友人の宰相中将に女性であることがバレて、宰相中将の子供を身ごもったりしました。

姫君(でも男性)の方も、主人である女東宮(天皇の娘)と関係を持ったりしましたが、最終的には「姫君」「若君」とも元々の性別に戻って幸せに暮らしましたとさ。
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現代で言うと、草食男子を「男の娘(こ)」として育てて、勝気な女の子を「オスカル」として育てる事にしたようなもんですかね?

ちなみに「とりかへばや」とは、『取り替えたいなぁ』と言う「詠嘆(えいたん⇒高校の古典の授業で習ったやつ)」の意味だそうです。

ちなみに、さいとうちほ先生のマンガ『とりかえ・ばや』は、この『とりかへばや物語』をベースにして、大胆にアレンジを加えた物語になります。

らんま 1/2

高橋留美子先生の『らんま 1/2』は、説明するまでもないくらい有名な作品です。

あらすじ

天道あかねの許婚(いいなずけ)として、天童家の3姉妹の住む家に居候する事になった早乙女乱馬とその父。

しかし乱馬は、武術修行していた時に「娘溺泉」の呪いによって水をかぶると女の子の姿に変身し、父の早乙女玄馬は、水をかぶるとパンダに変身する体質になっていた・・・
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『らんま 1/2』は累計発行部数5,300万部以上で、高橋留美子先生の作品の中で一番売れた作品になります。

2012年には新垣結衣さん主演で、連続TVドラマ化もされています。

ショートのガッキーもかわいい・・・

僕は麻理の中

押見修造先生の『僕は麻理の中』は、まだ読んだことがないので、Wikipediaから「あらすじ」をそのまま引用します。。。

あらすじ

2012年。上京後、友人作りに失敗したことが原因でまともに大学にも行けず、部屋に引きこもりがちな青年・小森功。唯一の楽しみは行きつけのコンビニで見かける、とある女子高生を尾行すること。だがある日、いつものように彼女の後をつけていると異変が起こる。女子高生は足を止め、後ろを振り返り、功の方を見た。その時少女は、わずかに微笑んでいた。功の意識はそこで途切れた。
翌朝、気付くと功は見知らぬ部屋にいた。そして鏡に映っていたのは1人の女の子、彼がひそかに「コンビニの天使」と呼んでいた女子高生・吉崎麻理だった。突然の出来事に困惑しながら「麻理」の姿のまま女子高生として過ごす功だったが、やがて彼は気付く。本物の麻理はどこへ行ってしまったのか?
そんなある日、「麻理」のクラスメイト・柿口依が、「麻理」が外見は同じだが中身が別人となっていることに気が付く。
wikipediaより

たしかに「君の名は。」に似ている設定ですね。

貸金庫

『貸金庫』は、アメリカの小説家であるグレッグ・イーガン氏の作品で、『祈りの海』に収録されている短編作品です。

あらすじ

別の人間の体に意識が入り込む特異体質で、毎朝目覚めると同じ町の別の人間になってしまう人物が主人公。

目覚める前の記憶は残っているので、意識の入りこんだ人間の住所や人間関係などの情報を貸金庫に蓄えながら、本当の自分の体はどこにあるのかを探し続けていた。

そんなある日、精神医学研究所の看護師として目覚めると、自分の本体の可能性のある植物人間状態の患者を見つけたのだった・・・
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この話自体は、韓国で公開された映画『ビューティーインサイド』に似ているな、と思いました。

『ビューティーインサイド』は、目覚める度に外見が変わる特異体質の男性が主人公で、恋に落ちた女性とデートをするために眠気を我慢してデートしていたが、ついには眠気に負けてうっかり寝てしまう・・・というお話です。

主人公のウジンを、世界中の老若男女123人の俳優が演じていて、その中には日本の人気女優である上野樹里さんも含まれています。

作品の面白さだけでなく、「123人1役」のユニークなアイデアでも話題になった作品です。

まとめ

『君の名は。』は、新海監督の6作目の作品で、初めて製作委員会方式を取られています。

また、前作(『言の葉の庭』)が全国23館での上映だったのに対し、この『君の名は。』は全国約300館という大規模な興行となっています。

前作の10倍以上の上映館でスタートするなんて、配給会社のこの作品にかける意気込みが伝わってきます。

これだけの上映館数があったからこそ、歴代興行収入を塗り変える大ヒット作になったんでしょうね。

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