マンガ原作者になる方法は、大きく分けて6つあります。
簡単な方法から、普通の難しい方法まで様々ですが、これまで漫画原作者として活躍されている方の経歴を見る限りは、この6つのルートに落ち着くと思います。(他にあれば追加していきます)
1)マンガ原作を募集している雑誌に応募して受賞する
まず最初の方法は、「マンガ原作を募集している雑誌に応募して受賞する」です。
これが一番メジャーで、一番間口が広い気がします。
この記事でまとめていますが、マンガ原作を求めている出版社は大手でもかなりあります。
「バクマン。」や「吼えろペン」、「アオイホノオ」などのマンガ家漫画の影響で「マンガ家」という職業が人気になり、絵の上手なマンガ家希望者は増えたものの、ストーリーを組み立てられる若手が少ないことが、大手出版社でもマンガ原作者を募集している大きな理由だと思います。
2)まずは漫画家になって、その後原作者になる
2番目の方法は「まずは漫画家になって、その後原作者になる」です。
「そのマンガ家になるための絵が描けないんだ~!」
という魂の叫びが聞こえるようですが、もし絵が上手に描けるのであれば、まずはマンガ家になって、その後原作者に転向するのも一つの手です。
この方法のメリットは、まず漫画家としての経験があるので作画に無理のないストーリー構成を作る事が出来る(これは編集者的に大きなポイントです)事と、マンガを通してすでに編集部との繋がりがあるので、マンガ原作の企画提案などがしやすいという点です。
有名な例としては、『ヒカルの碁』の「ほったゆみ」先生がいます。
「ほったゆみ」先生は、元々漫画家として作品を作られていますが、『ヒカルの碁』ではストーリーに合う絵柄にするために、小畑健先生に作画を任せて原作者として活動し、囲碁ブームが起こる程の大ヒット作となりました。(実際この頃、囲碁を始める小学生が非常にたくさんいて、ニュースになったのを新聞記事で読んだことがあります。)
また、私も大好きな『デスノート』や『バクマン。』の原作者「大場つぐみ」先生も、元々はジャンプでヒーローもののギャグ漫画を連載していて、その後原作者にシフトしたと言われています。
3)漫画が描ける人を見つけてコンビを組む
3番目のマンガ原作者になる方法は、漫画が描ける人を見つけてコンビを組む方法です。
このコンビを組む人は、「絵は上手に描けるけれど、ストーリーを作るのが苦手な人」である必要があります。
その人がストーリも上手に作れるのであれば、わざわざコンビを組む必要がないから当然ですね。
学生同士の場合は、このパターンが一番多い気がします。
まさしく『バクマン。』の世界です。
でも、最初は一人で漫画家を目指すのは心細いのでコンビを組むのは安心感がありますが、原作者と作画担当で完全に分かれていると、作画担当の肉体的負担が大きいため不満が出てきて、最終的にはケンカ別れするパターンが多いようです。
『北斗の拳』の原哲夫先生も、原作者の武論尊先生が編集者と飲み歩いているのをよく思っていなかったと、武論尊先生の著作で書いてありました。
4)まずは小説家としてデビューする
マンガ原作者になるための4番目の方法は、「まずは小説家としてデビューする」です。
これは小説家でなくても脚本家でもよいのですが、ストーリーを作ることができると客観的に認められるようになる事が重要です。
ただ脚本家よりは、小説家の方が同じ出版社相手の仕事になるので、小説の担当編集者経由でマンガ雑誌部門の担当者を紹介してもらえる可能性が高くなります。
まずは小説家としてデビューすれば、作品が漫画化(コミカライズ)されるかもしれませんし、西尾維新先生の『めだかボックス』のように、オリジナルのマンガ専用の話を連載することも可能だと思います。
5)専門分野の専門家になって原作を書く
マンガ原作者になるための5番目の方法は「専門分野の専門家になって原作を書く」です。
編集者がマンガ原作者に求めるのは、「マンガ家や編集者には書けない話」です。
そこでポイントになってくるのが、特殊な業界や職種での経験や知識です。
たとえば、アイドルグループ「嵐」の桜井翔君の主演でTVドラマ化された、『特上カバチ!!』の原作者「田島隆」先生は、元々が海事代理士と行政書士の資格で個人開業していたそうです。
そしてその実務経験を生かしてマンガの原作を作り、直接モーニングに持ち込んで(実際には郵送して)デビューしたとの事です。
6)編集部に強力なコネを作ってデビューする
マンガ原作者になる最後の方法は「編集部に強力なコネを作ってデビューする」です。
ここまで来ると、自分の実力以外の要素が大きくなってきています。
この方法を入れていいかどうか微妙ですが、このルートで実際にデビューしたマンガ原作者の方もいるので、6つの方法の中に入れました。
編集部との特別なコネで原作者デビューした人で有名なのは、『北斗の拳』の武論尊先生です。
武論尊先生は、『男一匹ガキ大将』や『サラリーマン金太郎』で有名な「本宮ひろし」先生の自衛隊時代の同期で、自衛隊を退官後に漫画家になった本宮先生の事務所に居候をしていたそうです。
そしてあまりに暇でやることがなくなったので、マンガの話を書いてみて編集者に見せたところ、見所があるということで何作か案を出して、その中で一番受けのよかった話で原作者デビューしたそうです。
その後は『ドーベルマン刑事』のヒットで人気作家になり、『北斗の拳』の大ヒットで広く知られるようになりました。
また、『代紋TAKE2(エンブレムテイク2)』の原作者「木内一雅」先生は、『BE-BOP-HIGHSCHOOL(ビーバップハイスクール)』で有名な「きうちかずひろ」先生の実のお兄さんです。
「きうちかずひろ」先生の『BE-BOP-HIGHSCHOOL』が大人気になったとき、木内一雅先生はマネージャーとしてスケジュール管理をしたり、ストーリー構成に関わったりしていたそうです。
そこで余った時間でマンガ原作を描いてみて編集者に見せたところ、編集者に気に入られてマンガ原作者としてデビューしました。
<h2>まとめ
どの方法もそうですが、『才能』『努力』『運』の全てが、多かれ少なかれ必要だって事ですね。
『才能』と『運』はどうする事も出来ないので、いつ幸運が向いてきてもいいように、努力をするだけですね。