この記事では、原作:豆田麦先生、作画:石野人衣先生の「愛さないといわれましても〜元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる〜」を紹介します。
「愛さないといわれましても」あらすじ
伯爵令嬢のアビゲイルは、ジェラルド・ノエル・ドリューウェット子爵と政略結婚することになりますが、結婚初夜に「君を愛することはない」と告げられることから物語は始まります。
その言葉に対して「ごはんだけは欲しいです」と答えるアビゲイルと拍子抜けするジェラルド。
実はアビゲイルの前世は「魔王」で、今世は伯爵令嬢として生まれ変わったのでした。
「魔王」と言っても「魔族の王」ではなく近くに住む人間達がそう呼んでいただけで、魔力が強いものの知性はそれほど高くない生き物でした。
魔王の時に人間の食事のおいしさを知ったものの、伯爵家では継母や義姉からひどく冷遇されて食事も満足に与えられない環境で育ってきたため、食べ物に対する執着が異常に強くなったアビゲイル。
当初ジェラルドは冷たく突き放すような言動をするものの、乳母で家政婦長のタバサや執事のロドニーなどの助言もあり、次第にアビゲイルを大切に扱うようになります。
アビゲイルは、伯爵家の領地経営を一人でやっていた経験をもとにジェラルドに的確なアドバイスをすることで、夫人としての地位を確実なものにしていきます。
ジェラルドも、幼児のような言動をするアビゲイルに子供の頃に一時期面倒を見ていた雛の「ピヨちゃん」を重ね、美味しい食事をアビゲイルに与えることで、二人の関係は徐々に深まっていくのでした。
オススメポイント
この作品の魅力は何といっても、アビゲイルの幼児のような素直な言動や行動の面白さと、ジェラルドのアビゲイルに対する冷静な対応とのギャップの面白さです。
魔王としての経験の長さからアビゲイルは「天然」と呼ばれるような行動を行うことが多く、それに対するジェラルドの冷静な反応がツボにはまります
「そうか。●●か~」と冷静に受けるジェラルドには笑ってしまうと同時に、その懐の深さに関心すらしてしまいます。
ジェラルドの気難しい両親も出てきますが、アビゲイルの素直な言動や伯爵家での辛い経験にもめげないいじらしさ、与えられた才能を知ることで、みんなアビゲイルを好きになっていきます。
アビゲイルが前世で魔王だったという背景から単なる令嬢ラブロマンスに留まらず、人間社会の矛盾点や社会で暮らすことによる葛藤などが、物語に深みを与えています。
また、食べ物に異常な執着を見せるアビゲイルと、それを慈しんでおいしい食事を与えるジェラルドとの関係にほっこりするのもポイントです。
現在のイギリスに実在する料理を中心に多数出てきますが、グルメ漫画ではないので、料理名と「おいしい!」「~と合う」などのシンプルな評価のみです。
イギリスと言えば「フィッシュ&チップス」くらいしか思いつきませんが、「コブラー」や「ハギス」などの料理をこの漫画で初めて知りました。
豆田麦先生について
原作者の豆田麦(まめた むぎ)先生は、「小説家になろう」出身のライトノベル作家です。
「ネット歴はそこそこ長いけれども細々ひきこもって活動してました。」という自己紹介から、手探りでコツコツ書き続けるスタイルの作家さんのようです。
代表作と言えるのが今回の 「愛さないといわれましても」 ですが、それ以外の著書としては、「給食のおばちゃん異世界を行く」 があり、この小説は45歳の主婦・和葉(カズハ)が異世界に勇者召喚され、若返った自分(しかも中学生体型)として戦いつつ、オムライスやプリンなどを作る異世界グルメ&ほのぼのファンタジーです。
また、「うすかわいちまいむこうがわ」 という作品もあり、こちらも転生要素+異形キャラとの関係性を描く物語です。
創作の幅としては、ファンタジー要素、異世界、日常系、年齢・将来ギャップなどをうまく混ぜており、読者層も広めの印象の作家さんです。
石野人衣先生について
石野人衣(イシノ トイ)先生は、恋愛もの、異世界ファンタジー、実用・啓発漫画など、幅広いジャンルを手がけている漫画家さんです。
主な作品は、この「愛さないといわれましても〜元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる〜」と「主従転生、最強執事とお嬢様 異世界でノブレス・オブリージュ!」です。
キャラの感情を丁寧に表現するのが上手で、特にラブロマンス系やファンタジー系での心情描写に定評があります。
ライトノベル原作のコミカライズだけでなく、「まんがで身につくファイナンス」や「マンガでわかる虚数・複素数」などの実用・啓発漫画なども多数執筆しています。
まとめ
「愛さないといわれましても」は、餌付け愛、前世魔王のヒロイン、穏やかで心温まる日常系ファンタジーという要素が絶妙にミックスされたライトノベル原作のコミックです。
作者の豆田麦先生は、こうしたキャラクターの魅力や日常の温かさを描くのが非常に巧みで、本作のみならず他の作品でも個性豊かな世界観を構築しています。
物語の本筋はラブロマンスですが、単なる恋愛だけで終わらず、キャラクターたちの成長、夫婦関係の深まり、新生活の描写など、読んでいて安心感がありつつも引き込まれる展開が続くのが魅力です。
「新感覚餌付けラブコメディー」という、あまり聞いたことのないジャンルではありますが、大きな闘争や陰謀よりも「愛情」「家庭」「日常」が中心なのでストレスなく読みやすく、読後は二人のやり取りにほっこりすることで心が癒されると思います。
激しいアクションやバトルよりも、人と人との関係性や家族との日常、温かさに重きを置いたラブストーリーが好きなら、この作品は非常におすすめです。
そしてなにより笑えます。
| タイトル | 愛さないといわれましても〜元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる〜(1) |
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| 表紙 | |
| 作者 | 石野人衣/豆田麦 |
| 出版社 | 双葉社 |
| 発売日 | 2023年05月10日 |
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