邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん
タイトル | 邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん |
作者 | 服部 昇大 |
掲載誌(出版社) | COMIC OGYAAA!!(ホーム社) |
既巻 | 既刊12巻(2024年11月26日現在) |
あらすじ
小谷洋一(こたに よういち)は、ニヒルで映画鑑賞が大好きな男子高校生(17歳)。
映画について誰かと話をしたくてしたくて仕方ないが、しかしそこは進学校。みんな勉強に忙しく、映画鑑賞が趣味な者など周りには全くいなかった。
そこで映画が語れる同志を見つけるため「映画について語る若人(わこうど)の部」を立ち上げ部員を募集すると、新入生の邦吉映子(くによし えいこ)がやってきた。
映画の好みがマニアックで「人から理解されたことがない」という映子の言葉に、自分の経験を重ね深く同意する小谷。
しかし想像以上にマニアックな映子の話を聞いていくうちに、『ガラスの仮面』ばりの白目になっていく小谷だった・・・
マニアックな邦画マニアの女子高校生、邦吉映子(通称:邦キチ)のディープな邦画愛に振り回される小谷の姿を描いた、映画プレゼンコメディ。
おすすめポイント
映画のウンチクを語るマンガは数あれど、この作品ほど紹介されたタイトルを観たくなるマンガは無いだろう、と思ってしまうほど興味をそそられます。
例えば第1話で紹介される映子の好きな映画は、実写版『魔女の宅急便』。
「えっ?実写化なんてされてたっけ?まぁ、人気作品だから実写化されていてもおかしくはないか・・・」
などと思っていたら、映子の好きなシーンが、
「トンボがキキを張り倒すシーン」
という、宮崎アニメ版では考えられないシーンに、内容が気になって仕方ありません。
しかもクライマックスは、病気になった子カバを森に住む医者に診せるために、ゴムボートに乗せてほうきで引っ張り嵐の海を渡るという内容に、
「マジか!?」
という驚きの気持ちで心が一杯に(ちなみに、原作にもある内容らしいです)
あまりにも気になって調べてみたら、小規模予算の映画かと思いきや主演は小芝風花さんでした。
しかも、この作品が初主演映画&スクリーンデビュー。
他にも宮沢りえさん、浅野忠信さん、筒井道隆さん、尾野真千子さんなどの実力派俳優が脇を固める力の入った邦画でした。
そしてマンガの中でも語られていますが、監督は「呪怨」の清水崇監督。
あまりのギャップに目を疑いました。
2話目以降もオリジナルの邦画作品だけでなく、『ゲゲゲの鬼太郎』『テラフォーマーズ』『DRAGONBALL EVOLUTION』『デビルマン』など、漫画原作の作品が多数出てくるので、漫画で持っているイメージと実写版とのギャップで笑ってしまうこと請け合いです。
ちなみにタイトルが「邦画プレゼン女子高生」となっていますが、かしこまったプレゼン感はほぼ無く、邦キチ(映子)が好きな邦画の話をするだけです。
ただ、その話のトピックが面白すぎて気になります。
ペンタッチは80年代の少女漫画風なので、合わない人がいるかもしれません。
ただ当時のマンガを読んでいた人には、そのタッチだけでも当時を思い出して思わずニンマリしてしまうと思います。
特に少女雑誌の裏ページに掲載されていた「日ペンの美子ちゃん」を知っている人は。
※作者の服部昇大先生は、「日ペンの美子ちゃん」6代目のマンガ家としても活躍しています。