『ハチミツとクローバー』有名な羽海野チカ先生の作品で、17歳のプロ将棋棋士 桐山零(きりやま れい) の苦悩と成長を描いた物語『3月のライオン』についてです。
あらすじ
桐山零は、幼い頃に家族を交通事故で失い、棋士だった父の友人宅で育てられたが、心の中には深い孤立感と自己不信があり、人との距離感に悩みながら過ごしていた。
早く自立したい零は、生きるために14歳でプロ将棋になって一人暮らしを始め、飲めないお酒を将棋の先輩に飲まされて潰れていたところを、銀座のバーでホステスをしている川本あかりと出会い、あかりの家で介抱される。
川本家の人々(あかり、ひなた、もも、おじいちゃん)は零を家族のように受け入れてくれ、日常の中での温かい時間や食事、ふれあいを通じて、零の世界は少しずつ広がっていくのだった。
感想
羽海野チカ先生が女性漫画家ということも影響していると思いますが、発生した出来事そのものよりも、その時登場人物がどう感じたか、何を考えたかが繊細に描かれている作品です。
独特なのが、枠線と枠線の間に横書きモノローグが書かれており、登場人物の心情や感情が書かれている点です。
コマ内の縦書きモノローグで登場人物の考えていることなどを表現し、横書きモノローグで心情や感情が描かれることで、より複雑な感情を表現することでできています。
話は将棋が中心ですが将棋だけでなく、他人(父の友人)の家に住むことになった零と友人家族との関係性や、川本家を出ていった父親とあかりの確執、学校でのいじめ問題などさまざまな社会問題も登場します。
読んでるうちに色々な出来事やセリフに心を揺さぶられ、読後には脱力感であったり、ホッとする気持ちであったり、モヤモヤする気持ちであったりと、様々な感情が湧き上がって来て余韻を楽しむことが出来る漫画です。
まとめ
『3月のライオン』は、ただの将棋漫画ではなく「心の再生」と「人とのつながり」を深く描いた物語です。
プロ棋士としての勝負の緊張感だけでなく、零が抱える孤独や迷いを丁寧に描写しているため、登場人物それぞれの弱さや強さが心に響きます。
将棋が舞台ではありますが、将棋のルールや戦術を知らなくても、キャラクターの感情や関係性に入り込める作品で、ジャンルを問わず多くの人の心に響く普遍的なテーマを含んでいます。
特に、静かな日常描写や家族愛・友情・恋愛など複数の要素をバランスよく楽しみたい人にぴったりで、読み進めるほどに登場人物たちの人生が自分自身の経験と重なって感じられるのではないかと思います。
| タイトル | 3月のライオン 1 |
|---|---|
| 表紙 | |
| 作者 | 羽海野チカ |
| 出版社 | 白泉社 |
| 発売日 | 2008年02月22日頃 |
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