絹田村子先生の「数字であそぼ。」が非常に面白かったのでオススメします。
タイトル | 数字であそぼ。 |
作者 | 絹田村子先生 |
掲載誌(出版社) | 月刊フラワーズ(小学館) |
巻数 | 既刊12巻(2024年9月23日現在) |
あらすじ
主人公の横辺建己(よこべ たてき)は、見た物をそのまま記憶できる親譲りの映像記憶の能力から、奈良県の田舎町で「神童」と呼ばれて育つ。
そのたぐいまれな記憶力を生かして、京都の名門である吉田大学理学部に現役合格。
しかし、初日の2限目に受講した数学の授業がまったく理解できず、周りの同級生は理解できていることを知り、人生初の挫折を経験。
ショックのあまり下宿に帰って引きこもって、そのまま2年も留年してしまう。
大学3年目の春、横辺は大学から届いた手紙を見て留年生向けの面談に参加し、数学の早乙女教授から「お友達を作りなさい」と勧められる。
一念発起してやり直すことを決めた横辺は、同じく2年留年していた同学年の北方創介(きたかた そうすけ)と出会い、再び大学に通って苦手な数学に取り組み始める。
オススメポイント
理系学生が主人公のマンガである事もあり、「動物のお医者さん」を連想させる、シリアスな面がありながらの学術コメディといった感じのマンガです。
主人公の横辺建己と級友の北方創介の掛け合いが、西根公輝(ハムテル)と二階堂昭夫を彷彿とさせ、その会話と突っ込みなどに思わずニマニマしてしまいます。(北方がギャンブル好きなど、キャラは二階堂と全然違いますが)
自己主張がはっきりしていて少し天然の入った同級生の夏目まふゆは、(髪の色や髪形など外見は全然違いますが)「動物のお医者さん」の菱沼聖子と近い印象で、漆原教授ほどではないけど少し変わって生徒を巻き込んでいく感じの早乙女教授や、チョビと同じくペットとして横辺の下宿先の大家さんの飼い犬(だんご)も登場します。
こう書くと「動物のお医者さん」と似ているようですが、話は全く違います。
作者の絹田村子先生は、数学については読者と同じく初心者で、自分自身が理解できない難しい内容は話に入れないなど、数学に詳しくない人でも問題なく読み進める事が出来ます。
これまで授業で習ったことでも、違う観点から説明がされているので、ストンと腹落ちし理解が深まりました。
例えば、円の面積を求める計算式の話です。
円の面積を求める場合、通常は下記の計算式(公式)を使います。
円周の長さを求める公式
=直径(2r)×円周率(π)
=2πr
円の面積を求める公式
=半径(r)×半径(r)×円周率(π)
=πr2
もし、この面積を出す公式を学んでいない小学生が、持っている知識で面積を求めようとすればどうすればよいか?
そこで例として出てきたのが下記で、トイレットペーパーを使って分かりやすく説明してくれてます。
このトイレットペーパーを中心に向かって切ります。
すると、このような三角形になります。
三角形の面積を求める公式は「底辺×高さ÷2」です。
この例で言えば「底辺(=円周の長さ)×高さ(半径)÷2」です。
つまり「円周の長さ×半径÷2」なので、
=2πr×r÷2
=πr2
となり、円の面積を求める公式の「πr2」となります。
この話を読んだ時は、子供の時に学んだ公式が今になって深く理解できた気がして、ホント感動しました。
これ以外にも実数(有理数+無理数)については、お好み焼きとたこ焼きを例に使った粉もんの説明などもあり、非常にわかりやすく理解出来ました。
キャラの掛け合いなどストーリーを楽しみながら、数学に関する知識も得る事ができるのでオススメです。