『北斗の拳』原作者 武論尊先生の裏話

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今回は『ドーベルマン刑事(デカ)』や『北斗の拳』で有名な、武論尊(ぶろんそん)先生の裏話です。

『北斗の拳』のオリジナルは原哲夫先生が描いた読み切り作品だった

『北斗の拳』の原作者は武論尊先生なので、ストーリーや設定などを武論尊先生が決めたと思われていますが、実は元々『北斗の拳』は原哲夫先生が描いた読み切り作品で、一番有名な決めセリフである

『お前はもう死んでいる』

や、「経絡秘孔」を突くことで相手を内部から破壊する、などの基本的な設定は、すでにこの読み切りの時点で出来ていました。

ただ当初は、主人公の名前こそ「ケンシロウ」だったものの高校生の拳法使いの話で、法律で裁けない悪人を代わりに倒す「必殺仕事人」のような内容だったのを、武論尊先生が核戦争後の荒廃した時代に舞台設定を変えました。

その理由は、北斗神拳の印象を強めるためには、銃などの近代兵器が無い時代の方が際立つことと、武論尊先生が前年に見た『マッドマックス2』の荒廃した世界観がイメージにピッタリとあったためだそうです。

原作者をつけた理由

通常はそのまま漫画家がストーリーも考えるのが普通なのですが、連載に必要な3話目までのネーム原稿を読んだ担当編集者が、ストーリーや設定にいまいちピンとこないことと、原先生が当時デビューしたばかりの新人であった事などもあり、編集部の意向で原作者をつけることになりました。

ちなみに武論尊先生に原作を依頼したのは、原哲夫先生や北条司先生の担当である堀江信彦さんで、この堀江さんは『北斗の拳』や『シティーハンター』のヒットもあり、のちに『週刊少年ジャンプ』の5代目編集長に就任しました。

さらなる裏話として、武論尊先生に話を持って行ったのは最初ではなく、3人目だったそうです。

最初の2人に依頼して原作を書いてもらったものの、その内容に堀江さんがピンとこなかったため、武論尊先生に依頼することになったそうです。

最初の2人が誰だかは明かされていませんが、別の原作者が採用されていたら、もしかしたら『必殺仕事人』のような内容の『北斗の拳』になっていたかもしれませんね。

それは、それで見たい気が・・・

原先生は武論尊先生が原作に付くのが嫌だった?

実は当初、原先生は武論尊先生が原作に付くのが嫌だったそうです。

それは「原稿料の取り分が減るから」などの金銭的な理由ではなく、『ドーベルマン刑事』以降ヒットのない武論尊先生が原作に付くのが嫌だったためです。
※『ドーベルマン刑事』が終了したのが1979年で、『北斗の拳』が始まったのが1983年なので、武論尊先生は4年間ヒット作に恵まれていない事になります。

この話を後日聞いた武論尊先生は、

「もしそれを先に聞いてたら、さすがのオレも引き受けなかっただろう(笑)」

と、著作『原作屋稼業 お前はもう死んでいる?』の中で書いています。

3人の兄は当初は予定していなかった

ケンシロウの兄として、長兄ラオウ、次兄トキ、ジャギの3人の兄が登場しますが、これは当初は予定に無く、話の展開で兄を作る事になった時に、

名前が『ケンシロウ』(ケン四郎)なので、上に3人兄がいても違和感がないだろう

という考えで設定されたそうです。

ただ、ラオウとトキ以外は血が繋がっていない設定だったはずなので、ケンシロウだからといって3人の兄にはならない気が・・・

まとめ

武論尊先生ですが、他にもペンネームを持っていて、一番有名なのは「史村翔」名義で『ファントム無頼』『Dr.クマひげ』『サンクチュアリ』などの名作の原作を務めているので、かなり多くの作品を手がけています。

2つの名義を分けている理由は、週刊少年ジャンプで『ドーベルマン刑事』の連載中にジャンプ編集部が『専属契約』(契約金が支払われる代わりに、ジャンプ以外の他誌で連載出来ない)の締結を求めてきたが他の雑誌で連載中の漫画があったため、ジャンプでは「武論尊」名義で原作を書き、それ以外の雑誌では「史村翔」名義で書くようになったそうです。(最近では出版社別ではなく、アクション系は「武論尊」名義、それ以外を「史村翔」名義で分けているそうです)

ちなみに、この「武論尊」というペンネームは、アメリカの映画俳優『チャールズ・ブロンソン』氏に似ていることから、友人に「ブロンソン」と呼ばれるようになり、原作者デビュー時に外人に間違えられないように漢字で「武論尊(ぶろんそん)」としたことに由来しています。

この記事の情報元は、2014年1月11日放送の『ブラマヨとゆかいな仲間たち アツアツっ!』と、『原作屋稼業 お前はもう死んでいる?』です。

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