なるほど!大学の偏差値の高さと将来の収入には因果関係は無いのか!

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先日、『「原因と結果」の経済学』の著者で、教育経済学者の中室牧子さんと、医師の津川友介さんの共著『「原因と結果」の経済学』を読みました。

その中で、これまでは「そうなんだろうな」と思っていた事が、実は科学的には反対だった例が多く掲載されており、その結果に本当に驚いたのでシェアします。

正しいと思っていた事と結果が反対になる原因

この本に載っている、正しいと思っていた事(≒常識)と結果(事実)が反対になる主な原因は、非常にシンプルです。

人が「因果関係」と「相関関係」を取り違えてしまうからです。

「因果関係」というのは、2つの事柄のうち、一方が「原因」で、もう一方が「結果」である状態の事で、「原因」の事柄が存在しなければ、「結果」も存在しない(もしくは結果が大きく変わる)という関係があります。

もう一つの「相関関係」というのは、2つの事柄に深い関係性(一方が増減すると他方も増減するなどの正比例、もしくは反比例の関係)がある関係を言います。
ただ、この「相関関係」の場合は、それぞれの事柄の間には、「原因」と「結果」の関係性はありません。

Amazonのサイトで表示される「あなたへのオススメ(レコメンド)」などが、一番わかりやすい例だと思います。
これまで、その商品を購入したユーザーが一緒に購入した割合の高いものなどが表示されていますが、その商品は「相関性が高い」ため、オススメとして紹介されています。

ここで重要となってくるのが、「因果関係」なのか「相関関係」なのかを見極める方法ですが、その手法が「因果推論」と呼ばれる手法になります。

この本では、両著者の専門分野である教育や医療を例に「因果推論」のやり方を教えてくれています。

因果関係を確認する3つのチェックポイント

1)「まったくの偶然」ではないか?
2)「第3の変数」は存在していないか?
3)「逆の因果関係」は存在していないか?

「因果関係」と「相関関係」を取り違えた主な例

テレビを見ている時間が長くなれば長くなるほど、学力は低くなる
実際は、テレビを見ている時間が長くなると、学力は逆に高くなる結果が出ています。

いい大学(偏差値の高い大学)に進学すると、将来の収入も高くなる
実際は、大学の偏差値と将来の収入の間には因果関係はないとの結果が出ています。

認可保育園が足りていないため、母親が働くが出来ず、就業率が低いままになっている
実際は、認可保育所の数を増やしても、母親の就業率は上がらないという結果が出ています。

最低賃金を上げると企業の財政が厳しくなり、雇用が減少する
実際は、最低賃金を上げても雇用は減らないという結果が出ています。

学力の高い友人が周りにいると、自分の学力も向上する
実際は、学力の高い友人に囲まれても自分の学力は上がらないという結果が出ています。

医療費の自己負担割合を引き下げると、病院に通院しやすくなり死亡率が低下する
実際は、医療費の自己負担割合を引き下げると、高齢者は病院に行く回数が増えますが、それによって死亡率が低下したり、健康状態が良くなったりしないという結果が出ています。

まとめ

この本には載っていませんでしたが、昔から言われている「暗いところで本を読むと目が悪くなる」も、相関関係はあるものの、因果関係はないと言われています。

これは、暗闇で本を読むくらい本が好きな人は他にも数多くの本を読んでいる事が多いので、自然と目が悪い人が多くなりますが、暗いところで読むことが原因で目が悪くなっている訳ではないとの事です。

何事も思い込みで判断してはダメで、判断の材料にするのであれば、相関関係だけでなく、因果関係もあるかどうかを確かめることが重要という事です。

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